カハタレ日誌

カハタレの稽古の様子

20220731夜、ゴーゴリもとに書いてきた

20220731夜、ゴーゴリもとに書いてきた
参加者、稲垣、木嶋、杉原(途中まで)、丹澤、南出
 
 
●南出書いてきたの読む
 
南出
鼻に変わるものなんだろうと思って、名前って思いついて、それを拾うことで困る話を考えました。
 
木嶋
面白いー
 
稲垣
最初の落語家の話も面白いね、謎に演劇事情に切り込み入れる感じ。
 
南出
名前ってものをどう扱うか難しいかなって。
 
稲垣
全然意味わからん発音とか読めない文字とか扱ったりできそうやなって思った。
 
●丹澤さんの読む
 
稲垣
なんなんこれ。
 
南出
奇妙。
 
稲垣
文章が子供っぽいというか夏休みの作文みたいなのも奇妙よね。
 
丹澤
今日思いついて一気に書いた。
 
木嶋
一気に書いたのわかるな、勢いある、
鼻ってたしかに唐揚げの大きさにちょうどいいね。
 
稲垣
主人公が、僕は唐揚げが好きだっていうとこ面白かった。
主人公の世界を見る目が鼻があるかないか、鼻を通してしか世界見れていない、ある意味主人公一番奇妙よね、
あとこの文章自体、誰がなんのために書いてんのか、とか考えると奇妙。
 
●稲垣の読んでみる
 
稲垣
簡単に説明するとこちら
 
 
稲垣
外套のアカーキーに当たる人物を木田くんって登場人物にして、幽霊なんだけど、あの、とか、えっと、とか言いまくってて、自意識凄くて、幽体感なく存在しまくっちゃってる。
なんでこの橋に取り憑いてるのか分からず、服奪いまくって着膨れてる。
アカーキー自体は、職場の人にちょっかい出されても無視したり、関わらないでください、って言ったりで、気遣いって感じないかもだけど、あの、えっとの喋りとか、の感覚は実感あるなって感じたんですよね、一旦「気遣いの幽霊木田くん」って言ってみて、木田くんを救う話なのか成仏させる話なのか、呪われる話なのか、木田くんを中心とした物語を作りたい。って思って持ってきた。
 
で、今僕が考えてること言うね。今回共同劇作のやり方を変えたいと思っていて、
共同劇作の意味合いの幅を広げたい。
どっちかっていうと、木田くんって登場人物をみんなで作りたいって思っていて、木田くんの人生とか、木田くんだけじゃなくていいんだけど、歌舞伎の世界って考え、南出くん教えてくれたやつ、拝借して、本編に登場しないかもしれないけど絶対になんらかの形で影響してくる短編戯曲のようなもの、登場人物の成分となるような戯曲をしばらくみんなで考えたらどうだろうって思ってる。
 
ゴーゴリの細やかな情報、下僕のイワンが天井に唾かけるのうまいとか、そういうのあるだけで登場人物ってイキイキするというか、動きやすくなるというか生きてくると思うのよね、今回丹澤さんの戯曲で唐揚げが好きだって言うのとか面白かったんだけど、唐揚げが好きだって言う奴ってのがあると、どっかしら唐揚げが好きな奴の動きだとかセリフになるんやないかって影響するんでないかって僕は思ってる。
そういう登場人物の成分みたいな戯曲をまず持ち寄ったりしてみたいなあって。
 
だけどここはかなりナイーブな話で、実際に上演されない戯曲を大量に書くのはどうなんだろうってなると思うのよ、モチベーション湧くかとか。
だから、嫌だったらもう今嫌だって素直に言ってもらっていいかなと。
 
南出
確かに月一でしか集まらんのに長いことこれやるのは、どうだろう、やってみないとわからんけど楽しめるかなあ?
 
稲垣
まあー、そうだよね、
 
木嶋
またみんなで書いてきてってやっちゃえば良いんじゃないの?
 
稲垣
うーん、わかるんだけど、つらい、僕は前回かなり辛かった。
 
南出
結構楽しかったけどな、いなちゃんが一番辛そうじゃない。
 
稲垣
そうね、やっぱり、だいぶ辛いのは書いてきたのが取捨選択になることで、それが辛い。
あと自分一人で書けるもののクオリティみたいなの超えていかないと共同で作る意味がないって思っちゃうのよね。共同で作りましたでゴールじゃなくて、共同だからこそできた面白い戯曲が今のところ目指すものとしてあると思う。
そういう意味では、前回のメデイアの戯曲は自分だけでは書けなかったものになっていたと思うし、面白かったんだけども、やっぱ辛かった。
だから辛くない共同創作の方法を考えてるんだけど、逃げてるかな?
実際、演技を通したセリフがバラバラの質感で共存するような戯曲って書けるだろうって目論見で始めたんだけど、素地というか、共有するための何かが足りない、ただ書いてきたものを集めてもでこぼこになってしまって変になる。ってのが前回のメデイアの経験、いい経験であったんだけども。
以下稽古場で話していない。
多分大まかな劇の空気感とかリズムとかがあって、その中でおそらく色んなことができるんだけど、それって演技と同じく合わせたりアクションしたり、空気感のやりとりみたいなのが必要なのかもしれないと書きながら思ったのね。なんて言うかな、野球てルールを持たないと野球になんないというか、野球の道具持ちながらサッカーしちゃったら変になるっていうか、ごめんよりわからんくなってしまったかもしれないが、そんな気持ち。
簡単に言うと前回やったみたいに共同で作るのがまだ難しいんじゃないかって思ったのね、そのままやるのが。共有できる何かが足りない感じと言いますか。ゆっくり開発したい。
 
南出
稲垣が書いてきたものにみんながあーだこーだ言うとかくらいにした方が現実的なのかもね。
会話面白いけど、構成で失速したりするとこあるから。
 
丹澤
それだと共同劇作感薄れすぎる感じあるんだよね。
 
  うーん。うーん、って言いながら休憩になる。
 
稲垣
ま、一つは前みたいにプロットを考えてみて、シーン割り振っちゃう、同じシーンを書くのをやめる。
で、全体的にまとめる作業は僕にやらせてほしい。空気感をまとめると言うか、そういう方向もありかなと思う。
今回はファシリテートさせてほしいんだけど、次回は他の人が書くのをヘルプするみたいなそんな感じでもいいのかなって。
あと、語りって手法がどうなるか書いてみないと分からんってのもあって、発展すればやる意味あるんだけど、前回の使い回しみたいな手法にとどまっちゃうと捨てた方がいいと思う、けど今のところチャレンジはしたいと思ってる、
 
  なんだかんだあって、
 
丹澤
はい、前回はまず大まかな流れが最初にあったからそれに準じてみんな書いてきたじゃない、
逆に今回、その流れ自体をみんなで考えるのはどうかな。
 
稲垣
なるほど、たしかに今最初というか、木田くんのことしかないものね、自由っちゃ自由よね。
 
丹澤
それを踏まえて、ガッキーに書かせる。
で、できてきたのに対してみんなあーだこーだ言う、多分言いやすくもあると思う、流れ考えてるし。
 
みんな
おおー、やってみようではないか。
 
  って感じで作り方についてはそんな感じでやってみようってことになった。
 
稲垣
次の稽古、どうする?
もう流れ考え始める?
 
丹澤
さっき言ってた木田くんについてみんな考えてくるとかでもいいんじゃないかな、
木田くんの人生とか、どうして幽霊になったかとか。
 
稲垣
そうね、丹澤さん、めっちゃまとめてくれるね、頼れるわー、
 
木嶋
木田くんって兄弟いるの?
 
稲垣
どう思います?
 
木嶋
姉がいるのかな。
 
稲垣
あ、じゃあ姉がいるので決定で。
外套のアカーキーについて喋っときたい、ユーリノルシュテインの外套のアニメーション冒頭のシーンだけYouTubeで見れるんだけど、っていうか未完なのかな、それが物悲しくて物悲しくて、どこが喜劇やねんって感じなんだけど、見て思ったのは、アカーキー最後結構、寂しい死に方するよね、誰にも忘れられるような死に方する感じするんだけど、そもそもの外套の物語動き出す前のアカーキーは孤独のはずだけど、全然不幸せそうでないのよ、つまり家に帰ってからも文字を書き写すって作業を家でも続けてて、お気に入りの文字が出てくるとニヤニヤするような、アカーキーにだけわかるような幸せを彼は持ってるんだなって、
 
南出
あー、すごいよくできた話やなって、そういう幸せが、ささやかな幸せを捨てても欲しいものができた時の光景というか、外套って別の欲望みたいなのが出てくることによって覆われちゃうというか、別の幸せに向かっちゃうことで、悪い方向に物語が向かってく。
 
稲垣
なるほど、木田くんも何かそういう大切なものがあるのかもしれないね。
 
木嶋
宿題としてはキャラクターとしての木田くんを考えてくるの?
それともみんなの中の木田くんを持ち寄るの?
 
稲垣
え、何?質問の意味わからんかったけどめっちゃ今面白いこと言ってるね?
みんなの中の木田くんって何?
 
木嶋
みんな、それぞれ、気遣いの幽霊木田くんの要素あるんじゃないかって、それ持ち寄るってこと?
 
稲垣
うん、それでいいでしょ、面白、みんなそれぞれに木田くん持ってるってことでしょ、
 
木嶋
うん。
 
稲垣
そうかもね、っていうかすごい今面白いこと言ってるね、もしかしたら、今、現実を生きている僕達の木田くん要素の集合体として木田くんが立ち上がる。
 
丹澤
多面的に見えたら面白いよね、こういう木田くんの面と、全然違う木田くんの面が色々ある。
あと、実際いるかわかんないとか、
 
稲垣
あ、戯曲の中の登場人物にも木田くんの部分があるんだよ、なんなんだよ、木田くんって、めっちゃ面白くない、みんな木田くんの部分持ってるんだよ。
あ、あと、やりたいこと、これゴーゴリ関係なく、徹平さんの日舞ワークショップでやったような質感とか、みんなで見に行った四谷怪談の髪すきの仕草とか、行為の美をどっかしらで入れれたらなってフワッと思ってる、つっても古典的な所作したいってわけでなく、現代的な無理のない身体の中で、所作が高まる行為みたいなのできたら良いなって。
 
丹澤
着膨れしてる服脱ぐ仕草とかで遊べそうやなって。
 
木嶋
脱いで脱いでで何を着てるかとか遊べそう。
 
稲垣
じゃあ、皆さん、次回は木田くんについて色々考えてきましょい。
 
 
 
 
★今日出てきた木田くん要素
・姉がいる
・三十代
・彼女なし
・孤独や気遣いの集合体?
・みんなの中にいる。