カハタレ日誌

カハタレの稽古の様子

検察官/査察官(ニコライ・ゴーゴリ)を読む

2023/6/18
検察官/査察官(ニコライ・ゴーゴリ)を読む
 
参加者、稲垣、丹澤、松丸、南出、宮尾、あさきさん。
 
 
 
 
  稲垣、ドタバタとくる。
 
稲垣
あああー、暑いーーー、すみませんーー、受付どこだ、ああああー、バタバタしてる、ああああー、朝ごはん食べます、ああああー、暑い。あああー、シャキシャキレタスサンドイッチのドレッシングズボンにこぼした、ああああー、暑い。
 
南出
上着のシャツ脱ぎなよ、
 
稲垣
いやあ、だって、下、Tシャツですもん。
 
宮尾
良いじゃん、むしろ、
 
稲垣
Tシャツキャラじゃないですもん、僕。
 
宮尾
Tシャツキャラとかないやろ、暑かったら脱ぎなさいよ、
 
  と、稲垣は緑のシャツを脱ぐ。
 
稲垣
大量すぎて、大変すぎて大変だったのでコピーできませんでした。
写真を共有してます。
 
松丸
撮るの大変だったでしょうに。
 
稲垣
そうですよ、いや本当、で、これで、映そうかと。
 
  と、プロジェクターを取り出す。
 
南出
なるほど、それで写して読もうと言う魂胆ね。
 
  なんだかんだで、南出くんが完璧なるプロジェクターをセッティングする。
 
  しかし、電気を消すと真っ暗になるし、プロジェクターで映った文字は読みずらいとなり、一瞬にして、プロジェクターを諦める。
 
  途中間違えて、稲垣の妻が手塚治虫コスプレしてマンガ道ハンカチと一緒に写ってる謎の写真が映し出されるハプニングが起こったりした。
 
丹澤
元気そうやな、祥子ちゃん。
 
稲垣
じゃあ、あのう、すみませんが、本やらスマホやらパソコンやら見ながら読みましょうか。
 
あさき
本持ってきたよ。
 
稲垣
あ、翻訳家違うね、僕が持ってるのは、浦雅春さんの落語っぽい翻訳です。
 
あさき
混ぜっこぜて読むね。
 
南出
面白そうー。
 
  と、あさきさんのみ、米川正夫翻訳でよむことに。
 
稲垣
登場人物紹介、長い、
 
  と、なんだかんだで読み始める。
 
↓ざっくりの内容
 
一幕、市長宅
辺境の街の市長(賄賂とかいっぱいしてる)のもとに、査察官がやってくるとの情報が入る。
市長は慈善病院監督官、判事、視学官、郵便局長、警察署長、医師、などなど、いろんな方面にお前んとこのあそこなんとかしろ、誰々を見せるな、って、慌てふためいて、穴だらけの対応をそれぞれにする。
するとポプチンスキーとドプチンスキー(名前が最高)が宿屋で二週間滞在している金を払わない奴が視察官じゃないかと情報を持ってくる。
 
アンナ(市長の妻)とマリヤ(市長の娘)はこぜりあってる。
 
二幕、宿屋
フレスタコフの召使い、オーシップによる長々とした現状報告、フレスタコフ、オーシップはカード(賭け事)しまくってお金がなくて、お腹が空いていて、宿屋の亭主と揉めている。
そこに市長が入ってくる。
視察官ではないかと疑う市長と、宿代払わなすぎて市長が呼ばれてきたと勘違いしているフレスタコフのチグハグなやり取り。
なんだかんだでフレスタコフは慈善病院など街中を観光して市長の宅へ。
 
三幕、市長宅
アンナとマリヤこぜりあってる中にドプチンスキーがフレスタコフの情報を持ってくる。
噂の構造。前場で実際にあったことがドプチンスキーの目を通して変換されて語られる。
 
フレスタコフやってくる。
ペテルブルクでの自分の立ち位置についてほら吹きまくる。
みんな聞いてる。そしてビビる、アンナとマリヤはうっとりしてる?
 
四幕、市長宅
フレスタコフのもとに、判事、郵便局長、視学官、慈善病院監督官、うちに視察にこないでくれとが袖の下を持ってくる。
フレスタコフはその都度大金を手に入れる。
ドプチンスキーとポプチンスキーもやってくるがあんまりお金持っていない。
 
ここら辺でタイムアップ、全部読めなかったーーー。
 
 
 ・朝10時くらいからはじめて、稽古場12時終わりまで、四幕の途中くらいまで読んだ。
 ・めちゃくちゃ面白い、しかし長い。
 
 
 最後まで読めなかったし、プロジェクター使えやんかったし、感想言い合う時間取れなかったしグダグダだったけど、ゴーゴリの面白さったらなかったね。
 
 
  その後、行ける人たちでサイゼリヤでご飯食べた。
  温玉カルボナーラと温玉ミラノ風ドリア頼んだら多かった。
 
 
隙間時間や、サイゼリヤでポロポロ出た感想。
 
 
・めっちゃ笑かしてくるんだなって、宿屋の領収書に手紙書いたの見て妻がキャビアとか塩しゃけとか食材名読み上げるくだりとかめっちゃ笑いに貪欲やなって思った。(稲垣)
・フレスタコフはどこで査察官に間違われてるって気付いたんだろうかって思った。(あさき)
・途中アンジャッシュのすれ違いコントみたいだったよね。(宮尾)
 
 
稲垣
名前がすごい出てくる。
 
南出
だけどそんなこんがらがらないよね。
 
稲垣
舞台に出てる人たちは役割がはっきりとあるからかもしれない。警察署長とか郵便局長とか召使いとか。むしろその人たちが語るエピソードの中に出てくる名前が一瞬出てきてすぐ消えていくんだけど強烈に印象残してる人たちが大量にいる。慈善病院監督官が子供五人いますって話題になって、なんのエピソードもないのに、その五人の名前だけはっきりニコライ、イワン、エリザベータ、、って出すくらい、なんのエピソードもないのに名前だけは出すって、名前へのこだわり、すごいなと。冒頭の長い人物紹介みたいなのがもしかしたら一人一人にあるのかもしれない。
 
南出
ときおり出てくる、ロシアなのかな、チラッと見えてくる怖さ、言動やら暴力やらが面白かった。
 
松丸
マリヤとアンナの母と娘のやり取り面白かった。
 
みんな
面白かったー。
 
稲垣
あれ不思議よね、あんなに母親と娘で、同じ人物を取り合うことってあんのかな、現代ではピンとこないと言うか。
 
南出
昔、てそういうのあるのかな。
 
松丸
シンデレラとかそうですよね。
 
みんな
ああー、確かに。
 
稲垣
すんごい長くて、もっと削れるやろとかも思うんだけど、あんまり編集とかしてないんじゃないかって思うんだけど、
 
松丸
同じこと何回も言ってたりするよね。
 
稲垣
その辺の大雑把なところ含めて面白いよね、なんだろう、物語自体は、検察官と飲んだくれのどうしようもない若者が間違われるってだけなんだけど、それに対する、各々の登場人物のそれぞれの角度からのくどくどとした語りというか、それだけで劇って成り立つもんなんだって、いや、それだけで成り立つセリフで構成されているのが結局すごい。
 
南出
フレスタコフ、も騙そうとガツガツしてるわけでもなく、淡々とその流れに便乗して、もう何百ルーブリ貸してくれませんかってしれっと金せがんでるキャラクター性が良い。
 
稲垣
リアルじゃないって言うか、作り物感がすごいんよね、フィクションですよ、見せ物ですよって形でやってる。どんだけ変なこと起こったり喋ったりしても、どこかで見せ物としての面白さって土台というか、リアルじゃなくてもこの面白ささえあれば作品ですよって、なんか成り立つようになってる気がする。ワキ台詞みたいな、ボソッと独白するみたいなの、現代劇で見ると基本ゲンナリするんだけど、ゴーゴリの作劇の構造はそういうものも嘘として、成立する形になってるんじゃないかと思う。
 
丹澤
ゴーゴリっていうか喜劇の構造として、一人でボソッと独白するみたいなものってよくあるよね。
 
稲垣
最初の市長はフレスタコフが街を視察しにきてるんじゃないかとビクビクして、フレスタコフは宿代を二週間払ってないがために市長を呼ばれたとビクビクする、この互いにビクビクし合ってるの、まさに宮尾さんが言ったようにアンジャッシュ的というか、喜劇ーって感じすごいよね。
 
南出
あさきさんだけ、違う翻訳だったのも面白かった。ロシア文学の翻訳って、ああいうちょっと古めかしいのもあってるなあって思った。
 
 
次回稽古は、続き読んで、ダラダラと雑談しながら次回作品の創作にゆるゆる入っていこうと思っていますー。